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- 2018.01.09 Tuesday
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加山又造(かやままたぞう)
春秋波濤(しゅんじゅうはとう) 1966年 六曲一隻
東京国立近代美術館
京都、西陣織の図案家の子に生まれ、幼い頃から伝統的な日本の様式美に囲まれて育ち、モノを単純化や誇張することで、モノの本質を抜き出す力を養う。私がこの絵ですごいと思うのは波の曲線です。線の美しさを熟知し、常人の発想では考えだせないような曲線を生み出しているところです。生きているような錯覚を感じ、それでいて美しい。手前の紅葉の山には、金箔を細く糸のように切って貼り付ける切金という技法をつかい、なんでも新しいものに挑戦し美を追求していく姿勢に心惹かれます。
晩年はパソコンで絵描き始めていたことに脱帽です。
もっと長生きして作品を生み出し私達の心を楽しませてほしかったです
Edgar Degas エドガー・ドガ [フランス] 印象派
La famille Bellelli (ベレッリ家の肖像) 1859年頃
ドガが1856年から1859年までイタリアのフィレンツェに住んでいた叔母の家に滞在した時に描かれた作品。よく観てください!黒服に身を包む叔母は無表情に一点を見つめています。また画面左には叔母に寄り添うように立ち観る者と対峙している長女が、画面中央で椅子に座る次女は父親を向いた姿で描き込まれ何か違和感を感じさせます。母と娘の関係性が見出せる一方、叔父は一線を画すかのように、黒色の椅子に座る後ろ姿で描かれています。この絵は一家の間の愛情的な隔たりを意味しています。印象派でもドガは一線を置いた存在なのではと心象させてしまう作品ではないでしょうか。
1834年に生まれているので20代前半で描かれたことに
Alfred Sisley アルフレッド・シスレー [イギリス(フランスで活動)]
Barque pendant inondation à Port-Marly
(ポール=マルリの洪水と小舟) 1876年
「ポール=マルリの洪水」と同様、1876年に起こったセーヌ川の大氾濫後の情景を描いた作品。嵐の後の青空は誰にでも経験あることだろう、この絵はその清涼感と開放感に溢れる。大気が浄化されたように空は気持ちよく、それを映す水面には美しさがある。こんな情景が得られるのであれば、氾濫もゆるせる気持ちになる。船の二人はこの状況を話し合っているのだろうが、楽しんでいるようにも感じられる。人の心は正直だ。
この絵のような純粋さと明るさを持った生き方をしたい。
Alfred Sisley アルフレッド・シスレー [イギリス(フランスで活動)]
Jardin à Louveciennes - Effet de neige
ルーヴシエンヌの庭 ― 雪の効果 1874年
水平と垂直をうまく利用し画面下部では絵に奥行きを与え中央の水平なラインでそれを受け止める。青みがかった空と遠景の木々は雪の寒さと静寂さをたたえ、対象に木々や正面の家屋の茶褐色、黄色味を帯びた壁などの暖色は調和的補完性の関係にあり、互いを引き立て合っている。また画面中央に配される傘を差す婦人は、厳しく寒々しい冬景色において人間的な温もりを作品に与えている。
シスレーは同じ構図で雪の降っていない絵もかいてるよ!