福田平八郎
雨 (あめ)
私が福田平八郎を知った最初の作品です。
ただの屋根瓦だと見過ごしてはいけません一枚一枚その表情を丁寧すぎるほど描写してなお統一感をだし、漣(さざなみ)と同じく構図をトリミング(きりとり)した作品といえるでしょう。この絵のすごいところは、一粒一粒の雨の跡です。私の勝手な想像では夏の夕方にぽつりぽつりと雨が降り始めて、一日暖まった瓦に雨のしずくがパラパラパラと落ちては消えていく情景を思いえがいてしまします。俳句や詩と同じ感覚を持ちました。
画家のすばらしいところは注意ぶかく何でも観察し、そこに美しさをみつけそれを絵にしていくところではないでしょうか。